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次に原材料の中にコンドームの形をした硬質ガラスの型を漬けて、ゆっくり引き上げ、ぐるぐる回転させながら型の表面についた原料液を均等な厚さにして、乾燥させます。これを2回行います。この機械は全長115mのチェインコンベア2本に、6200セットのガラス型がつけられています。
このあと、乾燥→口巻き成形→膨潤→剥離、さらに熱を加えて柔らかくて丈夫な、コンドームに仕上がっていきます。
ここからはコンドームの品質を確認するために厳重な検査が行われます。8項目16カ所の検査ポイントが設けられています。
ここで作られるコンドームは、約8mまで伸び、約30リットルの水が入るほどの強さがあります。コンドームが破れるのは装着時に間違った付け方をしたり、爪で傷を付けてしまったからであり、正しい使い方をすれば破れることはないそうです。 |
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検査は全数検査、抜き取り検査、コンドームに空気を入れて破裂させる検査、水を入れて漏れないかを見る検査など様々な検査方法を組み合わせて、不良品をチェックしています。
私たちが興味深かったのは湿式電解検査といわれるもので、金属製の型にコンドームを一個一個装着し、電解液の中につけます。完全なゴムは電気を通さないという性質を利用した検査で、穴があいていると電気が通るので不良品として分別されます。
このようにいくつもの検査で合格したものだけが製品として市場に出され、売られているのです。
工場のなかは精密機械の工場と思えるほど、ちり一つ入らないように管理されていました。安全でよい製品をつくっているという誇りをもち、厳しい姿勢で働いている姿に、世界でも評価されていることが納得できました。
現在日本では、コンドームの消費が減少しているのと反比例して、性感染症が増加していることに対し、コンドームに対する偏見や違和感をなくし、使いやすくするために、様々な工夫をしているそうです。
いかがだったでしょうか。厳しい品質管理の元で製造され、何度も検査されていることがおわかりいただけたと思います。わたしたちも自分の身を守ってくれるコンドームを、もっとまじめに考えなければならないと思いました。
さて、感染経路には、注射や注射針の使い回し・母子感染・輸血よるものもあります。注射や注射針の使い回しについては、現在の日本の医療機関では注射器や注射針はすでに使い捨てなので問題ありません。しかし、覚せい剤や脱法ドラッグなどの使用時に、静脈注射の回し打ちによる感染例が現在でも報告されています。
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本報告書は神奈川県立高等学校 性・エイズ教育実践研究会様のご協力、ご承諾をいただき掲載しております。
尚、一部個人名や学校名などは省略させていただいております。 |
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