|
|
|
Iさん・・・・NGOアディオジャパン
私は昨年大学を卒業し、NGOで、若者に向けてのHIV/AIDS予防の知識普及活動や、HIV感染者・AIDS患者への支援活動を続けています。
私自身の高校生時代からの性に関する行動を振り返ってみると、1.大好きな彼に嫌われたくなくて性行為を断れないこともあった、2.コンドームの役割を避妊具としてしか習った覚えがなく、性感染症予防のために使うものと認識していなかった、3.膀胱炎になったときに、性感染症ではないかという不安から、性行為をしていることを知られてしまう抵抗感もあり、悪化させてしまった、4.性について、もしくは性感染症の不安があるときの相談できる場所が分からなかった、5.性に関する情報源は、曖昧な漫画や友人や先輩の話だったので、実際はぎこちなく性行為をしてきた、6.コンプレックスが多かったので、ぎこちない性行為を重ねるにつれ劣等感が増していった・・・などがありました。NGO活動を続けて行く中で、私は、たまたま妊娠もしなければ、たまたま性感染症にもかからず、たまたま相談できる相手がまわりにいてくれたからなだけであったことに気づきました。
性行為というものがそもそも自分に必要なものかということは自分自身で選んでいいものであり、性行為をするときの体の守り方をきちんと理解していなくてはいけないと実感しています。このような経験から、性感染症は正しい知識を持ってきちんと予防しなくてはいけないこと、不安が生じたときに頼れる場所があること、相談窓口が周知されていることが大切だと考えるようになりました。
活動の中で、「若い二人がSEXするとき、コンドームがないとしたらどの様な対応するか」というシュミレーションゲームを通して、性行為をする過程でのコミュニケーションを考えてもらえる機会を設けています。たとえば予防法として「コンドームの使用が大切である」と正しいからだの守り方を理解していても、実践できないということはコンドームを利用する過程で、お互いのコミュニケーションと自分の決断が必要となってくるからだと考えます。性行為を行う場面でのコミュニケーションは、情報が曖昧であればあるほど、ぎこちなくなり、予防法を実践することもままならないほど難しいものになりやすいのです。つまり、コンドームをどのタイミングで、どのように使用すればいいかをお互いが理解できていて、「コンドームを使おう」とスムーズに伝えられるコミュニケーションのとれた関係であるということが、正しい性感染症予防法を実践するうえで大切なのです。
こうして考えてみると、エイズに関心あるという人は、社会の中で「何かあった人なのかな。」「特別な人なのかな。」と考えられがちですが、エイズについて関心をもつことが、「ちょっとカッコいいこと」さらには「あたりまえのこと」になってほしいと考えています。自分がとりうる選択肢を知っていること、そのことに対して自分なりの意思があること、そして相手の選択を尊重すること、エイズについて考えるということは、そういうことだからです。
|
|
前ページへ
次ページへ
本報告書は神奈川県立高等学校 性・エイズ教育実践研究会様のご協力、ご承諾をいただき掲載しております。
尚、一部個人名や学校名などは省略させていただいております。 |
|
|
|