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母子感染は0.4%でとても少ないから気付かない。感染経路は胎内感染、産道感染、母乳感染となっている。日本では母子感染の知識が進んでいるので、母子感染するケースは1%未満で殆どかからない。
今のHIV抗体検査はスクリーニング検査で、最初にひっかけて怪しい人は詳しく検査する。検査には間違った陽性、擬陽性がでる。検査を受けて陽性にでても陰性になる可能性がある。検査結果は専門家とよく相談しなければならない。
母子感染の予防について。自分が何故どこで感染したか分からないお母さんが大勢いる。お母さんがエイズ発症の恐れがあるときには薬を飲むが、妊娠出産の場合は赤ちゃんのために、薬を飲む必要がなくても飲んで、
また陣痛が起こる前に帝王切開をする。赤ちゃんは産まれてすぐエイズにならないために薬を飲んでもらい、母乳はやめる。母子感染で生まれた場合の問題提議をしたい。赤ちゃんはワクチンが受けられない。
受けられないことを他の人にどう話したらよいのか。薬を飲まなければいけないが飲みにくい。どんな薬を選んだらよいのか。学校に入るとけがをした場合の対応をどう説明したらよいのか。
10才になると性教育やあなたの病気が何なのか話してあげなくてはいけないが、どう話したらよいのか。高校生に伝えたいことは感染経路の知識、「元彼の元彼の元彼のことを知っていますか」というキャンペーンが昨年あったがどこで感染するのか。
お付き合いのネットワークの中で知らない間にかかっている。妊娠してお母さんになって初めて感染していることがわかる。生まれた赤ちゃんの中には感染した赤ちゃんも少ないがいる。感染者があなたの隣にいるかもしれないと想像することで、クリエイティブな未来に向かって社会を作っていって欲しい。
Kさん…神奈川県立横浜清陵総合高等学校 教諭
私は、高校の英語の教員をしていますが、高校生の頃から「海外で人の役に立つ仕事がしたい」、「海外の中・高校生と関わる仕事がしたい」と夢があり、今年の春まで、青年海外協力隊に参加していました。
青年海外協力隊は、10年ぐらい前の「発展途上国にボランティアへいく」というようなイメージがあるかと思いますが、最近ではIT関連やエイズ対策などの教育的な業務内容も増えてきています。
私は、今回のジャマイカ派遣でエイズ対策活動の担当になったのをきっかけに、HIV/AIDSについて学びました。派遣されたジャマイカの現状は、1998年以降急速に増え、アフリカに次いで第2位のHIV感染者、AIDS患者数となっています。
また、2004年のAIDS患者の死亡者数は665人で、これは「1週間に13人が亡くなった」ということになります。感染率を高めている要因はたくさんありますが、日本同様に、複数のパートナーとの性行為や性交体験の低年齢化も問題となっています。
年齢別にみてみると、全体的には男性感染者のほうが多いのに対し、「性交未経験の女の子と性行為をすると、AIDSが治る」といった迷信があるためか、とくに10〜20代に関しては女性のほうが多くなっているのも特徴です。
そんなジャマイカで、私は日本で言う文部科学省に赴任し、国をあげたAIDS政策のひとつとして、学校を訪問しワークショップを開いたり、学校での対応方針やHIV/AIDSに関する知識などの普及に携わりました。
ワールドエイズデイの前後には、子どもたちとキャンペーンやイベントを開催したりしました。
この経験を通して、対応方針のひとつでもありましたが、ユニバーサルコーションという「感染の有無に関わらず、全ての人を平等に扱う」という考え方はとても大切であると実感しています。
感染者を特別に扱うのではなく、「皆が感染していてもおかしくないのだから」という考え方で環境づくりをしなくてはいけないと思います。HIV/AIDSは、他の感染症とは異なり、感染経路がはっきりとしぼられています。
皆が、正しい認識があれば、感染者だけを社会から排除しようとするような差別はなくなっていくと思います。
そして、HIV/AIDSが感染していく病気ならば、私たちも、このエイズフォーラムのようなワークショップなどで学んだことをその場限りにせず、少しでも多くの周りの人に正しい知識などを伝え広めていくことが大切だと思います。
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本報告書は神奈川県立高等学校 性・エイズ教育実践研究会様のご協力、ご承諾をいただき掲載しております。
尚、一部個人名や学校名などは省略させていただいております。 |
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