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シンポジウムの内容
司会
Tさん…厚木保健福祉事務所
保健所で行っている事業の中で検査について報告してみたい。まず、全国的な状況についてみると15〜19歳の感染者・患者数が増えている。神奈川県内の状況も全体的に徐々に増えている。次にどういう感染経路か。同性間による性感染症が多く、県内の状況も数は少ないがやはり同性間の方が多い。
全国的な検査件数で一番多かったのは平成14年でその後約半分に減少している。即日検査を行ってから件数が徐々に上がっている。厚木では厚木保健所と、YMCA専門学校でも行っている。厚木保健所は第1第3月曜日の午後、YMCAは第2第4日曜日の午後に検査を行っている。
厚木保健所へ検査に来た人は昨年で1回に3〜4人であったが、即日検査を始めてから平均15〜16人来るようになった。また厚木保健所では予約制をとっているので行きにくいが、YMCAは予約なしで受けられ、前回は50名を越えている。また平塚保健所でも予約なしで即日検査を受けられる。どこの保健所でも無料で行っている。実際にどんな流れで行っているか。
まず予約の電話を入れる。当日来て心配事は何か問診表に記入してもらう。具体的な相談内容について話しをするが、その人に合わせた指導を行っている。採血は血液を5ccとり、厚木保健所では30分間で結果を返している。検査は身体の中に抗体があるか調べるので、確実な結果を知りたければ3ヶ月経ってから来てもらう。
即日検査は良い検査だと言われているが、100人に1人は擬陽性といって、本当は感染していないが陽性で、その中に本当の陽性も混じっている。別の検査を受けないと本当に陽性か陰性か分からない。1週間後にもう1度検査の結果を聞きに来てもらう。結果が出るとショックで何も考えられなくなる人が多く、検査を受ける前にある程度エイズについて知識を持っていることが大事である。
陽性だった人に保健所が何をしてくれるのか。まず感染の事実を伝える。病気の説明を簡単にする。知りたいことはどんなことか話しをする。自分の体がどんな状態か知るために治療を受けた方がよいことなど、早目に病院に行くことを勧めている。また最初は不安で、いつも通り考えられなくなるのでその間の支援をする。病院に電話をすることや1人で行けない人には一緒に付いていく。
高校生の講演会で、もしあなたが感染をしていたらどうするかという質問を必ずしてみる。まだエイズの治療は難しく厳しい治療で、中には亡くなる人もいるが、多くの人は自分の生き方を軌道修正しながら前向きに生きていける病気になった。もし自分が感染したら、こんな言葉を聞いたことを思い出してくれたらありがたい。
Sさん…大阪市立総合医療センター
HIVウィルスとはどんなものなのか。最初に感染して10年位は活動しないが、その間は自分がウィルスを体に持っているか分からない。最初、急性感染症といってインフルエンザみたいな症状がおこる。感染経路ですが、輸血された血液はほぼ1回で感染する。周産期は今回のテーマで、妊娠、出産、育児からの感染は約30%。注射の回し打ちで麻薬とかの違法行為、病院で感染者の注射針を誤ってさす。
また無防備な性行為、コンドームなしでSEXすることなどです。ウィルスが体に入っていることをどうやって調べるか。また感染するようなことがあってもすぐに検査をしても分からない。3ヶ月経たないとはっきりしたことは分からない。日本と世界の違いについて。
HIVに感染している地域別人口と、大人でHIVに感染しているパーセントです。サハラ以南が世界で一番感染が多い地域で3000万人近い感染者がいて、6〜8%と大変な感染率です。
日本は0.8%で世界の中でとても低い方です。皆さんに伝えたことは、少ないということは自分に関係ないことだと思ってしまうが少なくても感染はあることを考えて欲しい。それだけにしっかりと知識を持って行動すること。
少ない数字は良いことだが、危険でもある。世界的な感染経路は性感染がほとんどで、日本は同性間の性感染症が多い。逆に男女間からの感染が目立たない状態だが、10〜20才ではこの比率が増えている。
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本報告書は神奈川県立高等学校 性・エイズ教育実践研究会様のご協力、ご承諾をいただき掲載しております。
尚、一部個人名や学校名などは省略させていただいております。 |
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