1.結果 (1)HIV感染者の報告数 1996(平成8)年以降増加が続き、2004(平成16)年は日本国籍、外国国籍合わせて780件と前年に比べて140件の増加で、引き続き過去最高の報告数となった(図1)。 日本国籍例は680件、外国国籍例は100件であった。 特に日本国籍男性の増加が顕著で、本年の報告数は前年(525件)を大きく上回り、過去最高の636件となった。日本国籍女性は44件と前年(32件)より増加した(図3)。
(3)感染経路 2004(平成16)年のHIV感染者報告例の感染経路は、異性間の性的接触が200件(25.6%)で、同性間の性的接触が468件(60.0%)、性的接触によるものがあわせて668件(85.6%)を占めた(図2)。 日本国籍例では、男性同性間の性的接触が449件で、前年(340件)に比べて著しい増加となった(図4)。 また、男性異性間の性的接触は122件と前年(108件)より増加した。 日本国籍女性の異性間性的接触によるHIV感染者は近年30-40件の範囲を変動している(図5)。 本年におけるHIV感染例のうち、男性同性間の性的接触による感染の割合は15-24歳の年齢層では77.5%、25-34歳では73.9%、35-49歳では63.6%と多く、50歳以上の年齢層では31.8%で、男性異性間の性的接触とほぼ同率で推移している(図7-8)。 なお、前年累計における日本国籍の異性間HIV感染者の性別構成を年齢階級別にみると、15-19歳は女性が71.4%、20-24歳は女性が52.6%を占め、男性割合の高い他の年齢層とは異なる(図6)。 本年におけるAIDS患者報告例の感染経路は、異性間の性的接触による感染は135件(35.1%)、同性間の性的接触による感染は141件(36.6%)で、性的接触による感染が合わせて276件(71.7%)を占めた。 日本国籍男性例の感染経路を見ると、同性間性的接触の増加が顕著で、本年の報告は126件と異性間性的接触(99件)を上回った。 なお、静注薬物濫用や母子感染によるものはHIV感染者、AIDS患者ともにいずれも1%以下にとどまっている(図2、10)。本年は、静注薬物濫用による感染報告は5例であった。