AIDSとは"Acquird Immune Deficiency Syndrome"の略で、日本では"後天性免疫不全症候群"と呼んでいます。文字どおり、免疫機構が働かなくなり、その結果、さまざまな病気にかかり健康を蝕んでいく病気なのです。
HIV(ヒト免疫不全ウィルス)
私たちの体には、病原体が体内に入ったとき、その攻撃から身を守るため免疫機構が備わっています。
この免疫機構の主な働きをするのがリンパ球ですが、そのなかでもペルパーT細胞は司令官的存在で、病原体が体内に侵入すると、ほかのリンパ球(サプレッサーT細胞,キラーT細胞,B細胞)に指令を出し病原体を排除します。
HIVが体内に侵入した場合も免疫機構で撃退できればいいのですが、HIVは司令官であるヘルパーT細胞に攻撃を行い、それを占領し、最後には破壊してしまうのです。
この免疫機構を破壊された状態の人をAIDS患者、免疫機構を破壊するウイルスであるHIVが体内に入り込まれた人をHIV感染者(キャリア)と呼んでいます。
免疫機構を根本から破壊してしまう点がAIDSの最大の特徴であり、恐れられている原因となっているのです。
他の動物には感染しない
トキゾプラズマやオウム病のように、ペットが持っている病原体に飼い主が感染することがありますが、HIVは、人間の細胞だけに感染するものですから、ペットが感染することはありませんし、ペットから人に移ることもありません。
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